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ARTSATプロジェクト(芸術衛星プロジェクト)は、「宇宙と地球を結ぶメディア」としての宇宙機を使って、 | |||
そこからインタラクティヴなメディア・アート作品やサウンド・アート作品など、 さまざまな芸術作品の制作を展開していくプロジェクトである。 | |||
プロジェクトは、 多摩美術大学と東京大学のコラボレーションを軸とした 総勢70名を超えるメンバーによって進められており、 | |||
芸術利用を目的とした宇宙機の開発主体を東京大学チームが担当し、 宇宙機からのデータを活用した作品制作や地上局の運用、およびデータ配信を多摩美術大学チームが担当している。 | |||
*[http://artsat.jp/ ARTSATプロジェクトのホームページ] | |||
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==通信系== | ==通信系== | ||
DESPATCHのメインミッションである共同受信ミッションを成功させるためには、なるべく多くのアマチュア無線家の受信協力が必要となる。 | |||
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変調方式としては最もシンプルな方式であるCW(搬送波のオン/オフで、1ビットを表現)を採用し、 | |||
複雑な変調方式の電波を低出力で送るのではなく、できる限りシンプルな変調方式の電波をできる限り高出力で送ることによって受信の確実性を高めるという設計としている。 | |||
また、シンプルな変調方式を採用する副次的な効果として、受信の際に各局で独自に工夫を凝らすことが比較的容易であるため、地上局の多様性を利用した異種冗長化を図ることもできると考えられる。 | |||
このような設計にしたがって、以下に示す諸元の送信機を、DESPATCHに搭載する。 | |||
送信機のより詳細な諸元に関しては、[http://www.nishimusen.co.jp/eisei2013/eisei2013.htm (株)西無線研究所のホームページ]を参照のこと。 | |||
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|+DESPATCH搭載の送信機諸元 | |||
|送信機出力||7 W | |||
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|送信周波数||437.325 MHz | |||
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|変調方式||CW | |||
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|電源電圧||+7V DC | |||
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|消費電力||最大 24.5 W | |||
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|周波数安定度 ||最大 ±0.3ppm (±130 Hz) | |||
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この送信機は宇宙機搭載のタイマーICと計算機によって駆動され、およそ7Wの送信電力がモノポールアンテナから放射される。 | |||
シミュレーションによって求めたアンテナパターンを図に示す。 | |||
このアンテナは渦巻き部分の中心に配置されたGFRP製の棒状構造部材に取り付けられている。 | |||
<!--アンテナパターンの図を挿入する--> | |||
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<!--姿勢ビデオ--> | <!--姿勢ビデオ--> | ||
==投入軌道== | ==投入軌道== |
2014年10月7日 (火) 13:03時点における版
本サイトでは、ARTSATプロジェクトで開発中の第二の宇宙機「ARTSAT2: DESPATCH」について説明します。
また、DESPATCHのメインミッションである「共同受信ミッション」においては、世界各地のアマチュア無線家に受信協力をいただき、宇宙機が深宇宙から送信したデータの復元に挑戦します。 こちらのページでは、この「共同受信ミッション」の内容と、それに参加する方法を記載します。
ARTSAT: 芸術衛星プロジェクト
ARTSATプロジェクト(芸術衛星プロジェクト)は、「宇宙と地球を結ぶメディア」としての宇宙機を使って、 そこからインタラクティヴなメディア・アート作品やサウンド・アート作品など、 さまざまな芸術作品の制作を展開していくプロジェクトである。 プロジェクトは、 多摩美術大学と東京大学のコラボレーションを軸とした 総勢70名を超えるメンバーによって進められており、 芸術利用を目的とした宇宙機の開発主体を東京大学チームが担当し、 宇宙機からのデータを活用した作品制作や地上局の運用、およびデータ配信を多摩美術大学チームが担当している。
ARTSAT2: DESPATCH
深宇宙彫刻「ARTSAT2:DESPATCH」は、ARTSATプロジェクトが開発する2番目の宇宙機である。 大きさ約50cm立方、重量約30kgのこの宇宙機は、2014年11月30日 13時24分48秒(日本標準時)に打ち上げ予定のJAXA H-ⅡAロケット26号機により、小惑星探査機「はやぶさ2」の相乗りペイロードとして地球脱出軌道へと投入される。 H-ⅡAロケット26号機の打ち上げプレスリリース
ミッション
DESPATCHは、以下のような芸術ミッションと、技術ミッションを行う。
- 芸術ミッション
- 宇宙機を地球脱出軌道に投入することで、彫刻作品を深宇宙へと送りだす(深宇宙彫刻の実現)
- 芸術家の分身として深宇宙に送りだした宇宙機から、詩を生成して地球へと送信する(宇宙生成詩の遠隔創造)
- 技術ミッション
- 多くのアマチュア無線家の協力による深宇宙からの微弱な電波の共同受信実験(共同受信ミッション)
- 3Dプリンタ造形物の宇宙機搭載実証と一般の宇宙機への応用
なお、芸術ミッションの「宇宙生成詩」とは、宇宙機搭載のセンサーの値(温度など)をもとに宇宙機搭載の計算機が特定のアルゴリズムにもとづいて生成するものである。
また、技術ミッションに挙げた「共同受信ミッション」では世界各地のアマチュア無線家に受信協力をいただくことで、宇宙生成詩の復元に挑戦する。
宇宙生成詩および共同受信ミッションに関する詳細は、共同受信ミッションを参照のこと。
特徴
こうしたミッションを実現するために、DESPATCHは通常の宇宙機とは異なる、以下のような特徴を有する。
- 宇宙機が電波を連続送信する期間は、地球脱出軌道に投入後、地球から約300万kmの距離に到達するまでの最大一週間とする
- 電源は一次電池のみとし太陽電池を搭載しないことで、造形作品としての宇宙機の外観の自由度を高める
- ペイロードが自律的に機能するため、通信はCWビーコンの送信のみとし地上からのコマンドアップリンクは行わない
構造デザイン
サブシステム
通信系
DESPATCHのメインミッションである共同受信ミッションを成功させるためには、なるべく多くのアマチュア無線家の受信協力が必要となる。 そこで、送信電波の周波数としては、アマチュア衛星で最も一般的に使用され、より局数の多い430MHz帯を採用する。
変調方式としては最もシンプルな方式であるCW(搬送波のオン/オフで、1ビットを表現)を採用し、 複雑な変調方式の電波を低出力で送るのではなく、できる限りシンプルな変調方式の電波をできる限り高出力で送ることによって受信の確実性を高めるという設計としている。 また、シンプルな変調方式を採用する副次的な効果として、受信の際に各局で独自に工夫を凝らすことが比較的容易であるため、地上局の多様性を利用した異種冗長化を図ることもできると考えられる。
このような設計にしたがって、以下に示す諸元の送信機を、DESPATCHに搭載する。 送信機のより詳細な諸元に関しては、(株)西無線研究所のホームページを参照のこと。
送信機出力 | 7 W |
送信周波数 | 437.325 MHz |
変調方式 | CW |
電源電圧 | +7V DC |
消費電力 | 最大 24.5 W |
周波数安定度 | 最大 ±0.3ppm (±130 Hz) |
この送信機は宇宙機搭載のタイマーICと計算機によって駆動され、およそ7Wの送信電力がモノポールアンテナから放射される。 シミュレーションによって求めたアンテナパターンを図に示す。
このアンテナは渦巻き部分の中心に配置されたGFRP製の棒状構造部材に取り付けられている。