「共同受信ミッション」の版間の差分

提供:Despatch JP
ナビゲーションに移動 検索に移動
30行目: 30行目:
この一週間というミッション期間を、下の表のようにDESPATCHと地球との距離応じて3つのフェーズに分割し、「ハウスキーピングデータ」「宇宙生成詩」「宇宙機の温度に応じた断続信号」という3つのデータを地上で受信する。
この一週間というミッション期間を、下の表のようにDESPATCHと地球との距離応じて3つのフェーズに分割し、「ハウスキーピングデータ」「宇宙生成詩」「宇宙機の温度に応じた断続信号」という3つのデータを地上で受信する。
共同受信実験の対象はフェーズ2の「宇宙生成詩」であるが、フェーズ1、またはフェーズ3における受信協力・受信報告も歓迎する。
共同受信実験の対象はフェーズ2の「宇宙生成詩」であるが、フェーズ1、またはフェーズ3における受信協力・受信報告も歓迎する。
<!--フェーズごとの受信データについては後述-->
<!--距離とフェーズの対応表を入れる-->
<!--フェーズと可視時間の表を入れる-->


下の図には、この3つのフェーズの期間を色で、世界の各地域における可視時間を黒い横棒で示している。
{|class="wikitable" style="width:50%"
|+距離(フェーズ)と受信データの対応表
!フェーズ !! 地球からの距離 !!地上で受信されるデータ
|-
|フェーズ1 || ~20万km || モールス信号によるハウスキーピングデータ
|-
|フェーズ2 || 20万~173万km || 独自符号による宇宙生成詩
|-
|フェーズ3 || 173万km~ || 断続信号による宇宙機の温度情報
|}
 
 
下の図には、この3つのフェーズの期間を色で、世界の各地域におけるおおよその可視時間を黒い横棒で示している。
共同受信ミッションの実施期間であるフェーズ2は、日本における1回目の可視時間の後半から、4回目の可視時間の最初までの約70時間である。
共同受信ミッションの実施期間であるフェーズ2は、日本における1回目の可視時間の後半から、4回目の可視時間の最初までの約70時間である。
日本では毎日、9時から18時半まで(世界標準時)/ 18時から翌9時半まで(日本標準時)のおよそ9時間半が可視時間にあたる。
より正確な可視時間の予測については、本ページで後述する。
<!--より正確な可視時間の予測については後述-->


[[ファイル:VisiblityPeriods.png|500px|thumb|left|ミッションのフェーズと世界の各地域での可視時間]]
[[ファイル:VisiblityPeriods.png|500px|thumb|left|ミッションのフェーズと世界の各地域での可視時間]]

2014年11月1日 (土) 12:50時点における版

共同受信ミッションのイメージ

ARTSATプロジェクトの第二の宇宙機「ARTSAT2:DESPATCH」のメインミッションである「共同受信ミッション」においては、 世界各地のアマチュア無線家に受信協力をいただき、DESPATCHが深宇宙から送信したデータの復元に挑戦します。 本ページでは、この共同受信ミッションの内容とそれに参加する方法を記載します。 深宇宙からの電波受信というこの稀有なイベントに、ぜひご参加下さい。

なお、DESPATCHの通信系などサブシステムの仕様および投入軌道などについては、メインページに詳細を掲載します。

概要

ARTSAT2:DESPATCHのフライトモデル

「ARTSAT2:DESPATCH」は、ARTSATプロジェクトの手がける第二の宇宙機である。 大きさ約50cm立方、重量約30kgのこの宇宙機は、2014年11月30日(日本時間)に打ち上げ予定のJAXA H-ⅡAロケットにより地球脱出軌道に投入され、投入から24時間足らずで月面距離(38万km)に到達し、およそ1週間で250万kmの彼方に到達する。

DESPATCHはこの1週間、430MHz帯の電波によりハウスキーピングデータ(健康状態など、宇宙機のステータス情報)および搭載センサーのデータから軌道上で制作された「宇宙生成詩」を送信する。 しかし、DESPATCHは回転した状態で地球脱出軌道に投入されるため、地上で受信できるのは宇宙機の回転によりフェージングの生じた極めて弱いものとなると予想される。

ARTSATプロジェクトチームでは、DESPATCHのメインミッションである「共同受信ミッション」において、世界各地のアマチュア無線家のみなさまにこの非常に弱い電波の受信協力をお願いする次第である。 この共同受信ミッションでは、単独の大型アンテナを使用するのではなく多数のアマチュア無線家が受信したデータの数々をインターネットを使って一ヶ所に集めて再結合することで、極めて遠方からのデータを復元する「協調ダイバーシティ通信」の実験を行う。 このような実験によって、アマチュア無線家が有する比較的小型のアンテナでも、それらを複数集めることで巨大なパラボラアンテナに匹敵するような微弱電波の受信が可能になるのかどうかを検証する。

共同受信ミッションの実施期間

DESPATCHは2014年11月30日 13時24分48秒(日本標準時)にJAXA H-ⅡAロケット26号機により打ち上げられ、この打ち上げからおよそ2時間後に軌道投入がなされる。 H-ⅡAロケット26号機の打ち上げプレスリリース

DESPATCHが電波を送信するのは、この軌道投入直後から一週間のみである。 この一週間というミッション期間を、下の表のようにDESPATCHと地球との距離応じて3つのフェーズに分割し、「ハウスキーピングデータ」「宇宙生成詩」「宇宙機の温度に応じた断続信号」という3つのデータを地上で受信する。 共同受信実験の対象はフェーズ2の「宇宙生成詩」であるが、フェーズ1、またはフェーズ3における受信協力・受信報告も歓迎する。

距離(フェーズ)と受信データの対応表
フェーズ 地球からの距離 地上で受信されるデータ
フェーズ1 ~20万km モールス信号によるハウスキーピングデータ
フェーズ2 20万~173万km 独自符号による宇宙生成詩
フェーズ3 173万km~ 断続信号による宇宙機の温度情報


下の図には、この3つのフェーズの期間を色で、世界の各地域におけるおおよその可視時間を黒い横棒で示している。 共同受信ミッションの実施期間であるフェーズ2は、日本における1回目の可視時間の後半から、4回目の可視時間の最初までの約70時間である。 より正確な可視時間の予測については、本ページで後述する。

ミッションのフェーズと世界の各地域での可視時間
DESPATCHの到達距離

受信データのフォーマット

ハウスキーピングデータ(モールス信号)

宇宙生成詩(Baudot コード)

アナログ温度情報(断続信号)

DESPATCHの電波を受信するには

必要な設備

DESPATCHは430MHz帯のCWを送信する。 したがって、電波を受信するためには430MHz帯の受信機が必要である。 また、DESPATCHは地球から急激に遠ざかるため、ミッションの終盤まで電波を受信するためにはゲインの大きい受信アンテナを用いる必要がある。

アンテナのポインティング

受信機の調整

受信の報告